介護の現状

まずは、厚生労働省のデータから、介護の現状を確認しましょう

要介護者は急速に増えています

要介護(要支援)認定者数は2009年度は約485万人です。公的介護保険制度がスタートした2000年度に比べ約1.8倍も増加しています。認定者数に占める人数と占有率を年齢別に見てみると、40~64歳の人が約15万人(3%)、65~74歳の人が約64万人(13%)、75歳以上の人が約405万人となっており、75歳以上の人が約84%を占めています。

介護になる確率

年代別人口にに占める要支援・要介護者の割合を見てみると、要介護者の発生率は、40~64歳では0.4%、65~69歳では2.8%、80~84歳では28.1%、85歳以上では56.9%となっています。加齢とともに要介護者の発生率が急速に高まっていることがわかります。85歳以上では2人に1人が介護を必要としています。

介護の原因

介護や支援が必要となった主な原因は、脳卒中等の「脳血管疾患」が21.5%。次いで多いのが「認知症」15.3%、「高齢による衰弱」13.7%、「関節疾患(リウマチ等)」10.9%です。実に「脳血管疾患」が原因の5分の1を占めています。

介護の期間

命保険文化センターが行った調査で、介護経験がある人に、どのくらいの期間介護を行ったのかを聞いたところ、介護を行った期間(現在介護を行っている人は、介護を始めてからの経過期間)は平均55.2カ月(4年7カ月)になりました。4年以上介護した割合も4割を超えています。期間別似見てみると、6カ月未満が、4.8%、6カ月~1年未満が6.5%、1年以上2年未満が13.2%、2年以上3年未満が15.4%、3年以上4年未満が13.7%、4年以上10年未満が30.8%、10年以上が13.3%となっています。

介護サービスの利用状況

平成23年1月、在宅で介護または介護予防サービスを受けた人は約310万人、施設でサービスを受けた人は約84万人です。地域密着型サービスを受けた人は約27万人です。施設サービスを受けた人数を施設別に見てみると、介護老人福祉施設約44万人、介護老人保健施設約33万人、介護療養型医療施設約8万人となっています。

在宅介護の時間

要介護者等の要介護度別にみた同居している主な介護者の介護時間別構成割合は、1位「必要なときに手をかす程度」、2位「ほとんど終日」、3位「半日程度」の順となっています。要介護度が高くなるにつれ、「ほとんど終日」「半日程度」の割合が高くなり、介護度が最も重い「要介護5」の場合は「ほとんど終日」が51.6%となり、介護する人の肉体的な負担はかなり重くなっていることがわかります。

誰が介護をしているか

同居の親族が介護をしている人が約60%を占めます。その内訳をみると、「配偶者」が25.0%、「子」が17.9%、「子の配偶者」が14.3%となっています。男女別では介護の担い手の72.1%が女性です。介護者の年齢分布をみると、「60~69歳」24.5%、「70~79歳」23.0%、「80歳以上」11.1%と60歳以上が6割近くになっています。

介護で不安に思うこと

生命保険文化センターの調査によると82.5%の人が不安に思っており、不安の1位は「自分の肉体的・精神的負担」67.4%、2位「公的介護保険だけでは不十分」58.2%、3位「自分の時間が拘束される」53.6%、4位「自分の経済的負担」51.8%の順となっています。

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